近年、がん診療の飛躍的進歩により「がんサバイバー」が増加し、治療終了後の生活の質に注目が集まっている。特に小児・若年女性に対するがん治療の副作用としての生殖機能の廃絶に対して、卵巣実質をがん治療前に凍結保存し治療後に移植する治療法が急速に確立されている。その際に移植時の組織生着のための早期血流回復は、他臓器移植同様不可欠かつ重要な課題である。本研究では毛細血管シート移植や細胞移植、エクソソーム注入などの方法を試したが、その結果、エクソソームの注入が最も効果が期待できる方法である可能性が示唆された。今後さらなる研究により実用化に向けて検討を進めていくことが必要であると考えられる。
|