プラチナ耐性卵巣癌は極めて予後不良であり新規治療法の開発がのぞまれる。申請者はプラチナ耐性卵巣癌において特異的に発現している候補蛋白質としてCD27とIMP-2を選別した。卵巣癌細胞株の3つではIMP-2の発現を認めなかったが、プラチナ耐性卵巣癌細胞株は3つ全てで発現を認めた。プラチナ耐性卵巣癌細胞株に対し、siRNAを用いIMP-2の発現を抑制したところ、シスプラチンの50%阻害濃度は167μMから54μMへと有意に低下した(p<0.01)。プラチナ耐性卵巣癌の臨床検体におけるIMP-2の発現を免疫組織学染色を用いて検討したところ20例中8例(40%)で強発現を確認しえた。
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