後鼻神経切断術のモデル動物を作成し、後鼻神経切断が鼻粘膜及びアレルギー性鼻炎の病態に及ぼす影響を検討した。後鼻神経切断により鼻粘膜呼吸上皮の神経線維及び神経ペプチド発現低下とアセチルコリン合成不全による鼻汁量減少を認めた。アレルギー性鼻炎モデルでは、後鼻神経切断術により鼻汁量が減少したが,鼻掻き・くしゃみ症状には効果がなかった。アレルギー感作に伴う粘膜の肥厚や,好酸球・肥満細胞の浸潤,炎症サイトカインの発現亢進は,後鼻神経切断術により変化しなかった。アレルギー性鼻炎の病態において鼻粘膜の脱神経は、鼻汁を抑制する一方で過敏症の抑制および粘膜のアレルギー反応への関与が少ないことが示された。
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