好酸球性副鼻腔炎は鼻粘膜への好酸球浸潤とニカワ状鼻汁,鼻茸形成を特徴とする難治性疾患で,その病態は不明な点が多い。 本研究では,好酸球と線維芽細胞との相互作用が好中球や好酸球などの炎症細胞浸潤を促進していると考えられた。また,好酸球に発現する組織因子を起点として凝固系が活性化され,凝固因子が鼻粘膜のプロテアーゼ活性型受容体(PARs)を介して鼻粘膜の線維芽細胞に作用すると,細胞外マトリックスの沈着や好酸球の浸潤をさらに誘発することがわかった。さらに,好酸球性炎症のラット鼻炎モデルにEGF受容体阻害薬の投与を行うと鼻粘膜への好酸球浸潤や杯細胞化生が抑制され,新しい治療の可能性が示唆された。
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