甲状腺眼症患者及び片側顔面神経麻痺患者に対し、それぞれ眼窩減圧術前と術後3か月目及び健側と患側で、眼瞼圧とドライアイの重症度を比較した。 甲状腺眼症患者において、最大眼瞼圧は、術後に有意に低下し、マイボーム腺開口部の所見及びマイボーム腺形態が有意に改善した。眼窩減圧術は眼瞼圧を下げることで、マイボーム腺機能を改善させうる可能性が示唆された。顔面神経麻痺患者においては、最大眼瞼圧は、患側で有意に低く、涙三角が患側で高い傾向にあった。眼瞼圧の低下によって、涙液の排出作用が低下し、眼表面の涙液貯留量が増加することで、眼瞼圧低下に伴うドライアイ悪化が相殺されている可能性が示唆された。
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