NETs(Neutrophil Extracellular Traps)とは、好中球がDNAを含む網目状の構造物を能動的に放出する現象で、重要な感染防御の役割を担っている。これまでの研究で、患者個々の侵襲に対する好中球の応答性には個人差があるのではないかと考えた。まず低酸素下での健常人の好中球のNETs発現の差について調べることとした。大気中の酸素存在下と低酸素下で5人の健常人の好中球を用いて検討したところ、低酸素条件下でNETsの発現減少率は平均58.7%であり、低酸素下でNETs産生が抑制されることが明らかとなった。今後敗血症患者やARDS患者の好中球を用いて応答性の違いを研究していく。
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