集中治療患者における感染を単一のバイオマーカーで診断することが困難である。本研究の目的は、感染性または無菌性の炎症における自然免疫受容体の遺伝子発現の経時変化を明らかにし、遺伝子発現パターンを正準判別分析を用いた早期診断法を確立することである。 マウス腹膜炎モデルと熱傷モデルを用いて、自然免疫受容体の発現パターンを比較した。受傷後6時間から各群とも特徴的な遺伝子発現パターンを示し、正準判別分析では、過誤率は0%で各群を判別可能であった。自然免疫受容体の遺伝子発現パターンの正準判別分析は全身性炎症の病態診断の新規アプローチとなる可能性がある。
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