本研究の目的は心筋梗塞の病態におけるマクロファージSOCS3の役割を明らかにすることである。マクロファージ特異的にSOCS3を欠損させた(SOCS3-mKO)マウスでは野生型と比較し、心筋梗塞後の死亡率が高かった。これはマクロファージSOCS3が何らかの機序で心筋保護的に作用することを示唆する。さらにKO群では心破裂が高率に発症することを明らかにした。梗塞後3日目の心臓ではKO群で心筋内出血が多く認められた。今後、心破裂に関連する因子として細胞外マトリックス分解酵素(MMP)の評価を行う。またマクロファージの機能分化とサイトカインシグナルの関連を明らかとし、心破裂発症の機序解明に取り組む。
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