本研究では、ドーパミンの接着機構を応用し、汎用性を持つ新規接着性プライマーの開発を目指した。試作接着性プライマーの抗菌試験を検討した結果、口腔内常在菌に対して、高い抗菌効果を示した。次に、接着性レジンセメントを用い、歯科修復材料に対して、試作接着性プライマーの接着効果を比較検討した。従来の接着性プライマーを用いた場合と比較し、試作接着性プライマーの接着強さは、小さい値を示した。試作接着性プライマーのポリドーパミンの含有量では、化学的接着は起きるが、その接着が接着強さに反映するほどではなかったと考えられる。以上より、接着性プライマーを作製する過程をさらに検討する必要があると考えられる。
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