舌癌細胞株OM-1のEMT誘導モデルを用いてEMT制御因子を幹性・分化の視点から総合的に解析すると、EMTと幹性は密接な関係があるにもかかわらず、すべてのEMT形質に幹性が伴わないこと、その幹性には組織幹細胞レベルが重要であること、そしてEMTは一定の分化系統を示すわけではなく、その分化の転換先は周囲環境によって可変であることが示唆され、我々が想定したものより複雑であることがわかった。今後、多くの分化マーカーでEMT強度との相関性を追求するスクリーニングアプローチではEMT強度制御因子の同定は困難であることが示唆され、異なるアプローチを検討する予定である。
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