研究課題/領域番号 |
15K20750
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高橋 由紀 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (80346478)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | skin-to-skin contact / 哺乳行動 / 正期産 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、研究協力施設においてデータ収集を重ね15事例のskin-to-skin contactの研究協力を得た。得られた録画データを用いて、共同研究者が定義する9 stageにおける特定哺乳行動について、その生起時間、持続時間について分析を進めた。また、得られた日本データの中で、特殊な新生児行動について共同研究者とディスカッションを重ねた。ディスカッションを通じ、本研究で得られた日本データとアメリカおよびスウェーデンで報告されてきた哺乳行動との差異とその理由について考察を行った。分娩時に助産師が実施する外陰部の消毒や分娩第2期の長さ、新生児の出生時のストレス、skin-to-skin contactの実施方法など慣例的な処置や分娩室環境が新生児の哺乳行動に影響を与えている可能性が示唆された。したがって、平成29年度も可能な限りのデータ収集を行い、自然分娩であっても、新生児の哺乳行動に影響を与える要因について、検討を重ねる必要性があることを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査協力施設への研究代表者の分娩場面の参加において、時間的制約やデータ収集日に早期母子接触が可能な正常な分娩や健康な新生児の出産に重ならないことが多かった。また、分娩室環境によっても、研究調査を行える時間帯が限られていることで、症例数が伸び悩んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
平成29年度もデータ収集期間であるため研究協力者の獲得に向けて努力を行う予定である。得られたビデオ画像については、平成30年3月に共同研究者との定例打ち合わせ会議を設け、分析に関するスーパーバイズを受けて分析を進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
申請時には、研究成果の発表のための国際学会・国内学会への参加費用およびデータ収集のための人件費を計上していたが、学会参加については、勤務都合がつかず断念したことが大きい。データ収集のための人件費については、適切な人物が確保できなかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成29年度はこれまでの研究成果について国内学会への発表および関連国際ジャーナルへの論文投稿による成果の発表を行う。
|