過去の研究および陽性荷電ペプチドに着目して、グレリンの抗菌作用を検討した。2種類の非結核性抗酸菌株(Mycobacterium avium 104(標準株)とM. intracellulare(高病原性臨床株) M.i.198に対する直接的作用および貪食細胞内感染菌に対する作用を検討したところ、予想に反して、グレリン濃度依存的に菌数が増加した。そこでグレリンの異化抑制に伴う、間接的な抗菌作用発現の可能性を考え、脂肪細胞および筋肉細胞の培養上清の作用を検討したところ、培養上清は菌の増殖を促進した。今回の結果は、非結核性抗酸菌感染における、グレリンの抗菌作用を否定するものであった。
|