研究課題/領域番号 |
15K21049
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
室伏 春樹 静岡大学, 教育学部, 講師 (30609293)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 情報通信ネットワーク / 技術教育 / 協調制御 / 教材開発 / 計測・制御教材 / システム |
研究実績の概要 |
情報通信ネットワークを利用した協調制御を可能とする自律型ロボット制御基板として、Arduino互換基板であるESP-WROOM-02を利用した計測・制御教材の開発を行った。 本研究で開発するロボット制御基板は当初、複数の通信媒体を利用することにより情報通信ネットワークを構築できる教材を検討していた。しかし、IoTやインダストリー4.0といった概念が製品として登場し始めた点、社会的な情報通信ネットワークの普及によって無線通信ネットワークが安価に普及した点などから、通信媒体を無線通信ネットワークに限定することとした。これは、主たる研究目的である「人間と機械の創造的協働を実現するための知識と技能をもつ人材の裾野を広げる」という観点からも適切であると考える。次年度以降も、これら社会情勢の変化については適切に対応する必要がある。 具体的な開発教材の適用については、「生徒が計測する対象を自分で設定して、社会生活を向上させる計測・制御システムを構想する」という一連の流れを「プロセスシステムの学習」と捉え、学会等の発表などを通して学習内容の検討を深めた。これは従来の技術科教育における計測・制御システムが「プロダクトシステム」であり、本研究で開発しているような複数の機器で協調動作することを想定していない。このことから、本研究の新規性が明らかとなった。また、附属中学校の教員と連携を図りながら開発教材の具体的な適用について検討を進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
教材の開発は進んでおり、試作品の製作が完了している。また、実践を行う上で必要になる中学校教員との連絡もとれており、具体的な授業での適用を検討している。そのため、おおむね順調に進展しているものと判断している。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は開発している教材の適用に注力し、バグやトラブルシューティングのノウハウを形成していく。附属中学校の教員と共に授業のパッケージ化を進めていき、これらの成果を近隣地区の教員などに普及させていく。そして、これらの成果を研究論文として発表・投稿していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
計測・制御基板として利用を想定していた製品について、同等以上の性能を有する安価な互換品を利用することとしたため。
|
次年度使用額の使用計画 |
授業利用の際に故障が想定されるため、計測・制御基板の予備セットに充当するとともに、生徒に提供するセンサやアクチュエータの種類を増加させることで学習環境を構築させることに利用する。
|