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2018 年度 研究成果報告書

1770年代から1830年代におけるガイスト概念の変遷―ゲーテを中心に

研究課題

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研究課題/領域番号 15K21149
研究種目

若手研究(B)

配分区分基金
研究分野 思想史
ヨーロッパ文学
研究機関神戸大学

研究代表者

久山 雄甫  神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (70723378)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードゲーテ / ガイスト / プネウマ / 形態学 / 雰囲気 / 時間論
研究成果の概要

ゲーテは神学・哲学・自然科学の各文脈で、それぞれガイスト概念を「雰囲気」との関わりから再解釈した。なかでも時間論的枠組みにおけるガイスト概念の用法は注目に値する。彼のガイスト概念には、全体性の理想と結び付いた過去や未来の表象が、時間的なずれによって直接的に知覚されないがために、かえって深層と表層の現在的な重なりにおいて知覚されるようになるというパラドクスが確認できる。そうした現在の深層=表層は、彼の著作で繰り返し雰囲気的に表現されている。ただし晩年のゲーテ作品においてはこの逆説構造そのものが戯れに満ちた自己批判を伴って語られるようになり、その輪郭はますます曖昧になっていった。

自由記述の分野

近代ドイツ思想史、日欧比較文化論

研究成果の学術的意義や社会的意義

ゲーテは過去や未来を時空間的な全体性との関連から捉え、物質的にはもはや/いまだ存在しないはずの過去や未来の存在も「ガイスト的(霊的/精神的)」現在として看取しようとしていたことが分かった。こうしたゲーテのガイスト観は、人間が生きる世界において、存在と非在の区別が実は流動的でありうることを示す(たとえば記憶や想像は存在か非在か)と同時に、人間の世界認識において「時」と「雰囲気」が果たす役割を解明するための手がかりとなる。

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公開日: 2020-03-30  

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