本研究は、明治期における公園政策において「身体」がどのように捉えられてきたのかについて(1)国民国家の形成装置としての「公園」の誕生(2)公園の運動場化と体育奨励政策の関係性を明らかにしようとしたものである。明治30年代に開園した近代都市公園である日比谷公園は、都市において国民国家を形成するうえで必要な前提と諸要素を備える空間であることが明らかになった。また、日比谷公園の運動場や運動器具は、公園で運動することを可能するだけでなく、近代都市での生活に対応できる身体と感覚を形成するのに有用であったことが明らかになった。
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