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2018 年度 実績報告書

タンパク質脱ニトロ化酵素の探索・同定・機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K21165
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

那須野 亮  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (90708116)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード脱ニトロ化酵素 / ニトロ化 / プロテオーム / 亜硝酸 / 酵母
研究実績の概要

前年度の結果より、酵母細胞抽出液のプロテアーゼ活性が極めて高いため、グルタミン合成酵素Gln1をニトロ化したものをモデル基質として脱ニトロ化酵素(DNT)活性を高感度で測定することは、困難であると分かった。そこで、Gln1に代わるDNT活性の基質を探索するため、酸性亜硝酸処理した細胞からニトロ化タンパク質を探索した。定量的プロテオーム解析を行うため、硫酸アンモニウム(硫安)を単一窒素源とする最少培地(SD培地)で培養した。その際、15Nラベルした硫安を単一窒素源としたSD培地で培養した酵母を酸性亜硝酸条件で処理し、通常のSD培地で培養した酵母をコントロールとして用いた。両者から抽出したタンパク質を等量ずつ混合し、SDS-PAGEの後、LC-MS/MS解析により、15N/14Nを含むペプチドシグナルの比率からニトロ化タンパク質を定量的に解析した。その結果、複数のタンパク質が酸性亜硝酸処理によりニトロ化されることを見出した。また、これらのタンパク質のニトロ化部位に相当するチロシン残基も同定した。現在、これらのタンパク質をエピトープタグ融合型タンパク質として発現する株を構築し、免疫沈降と抗ニトロチロシン抗体を用いたウェスタンブロットにより、ニトロ化修飾の再現性を確認している。
一方、酸性亜硝酸処理した細胞から得た抽出液を、遠心分離により分画しウェスタンブロット解析を行った結果、ニトロ化タンパク質の多くは不要性画分に存在することが分かった。このことから、ニトロ化が特に膜タンパク質において起こっている可能性が示唆された。上記スクリーニングは可溶性画分のタンパク質を対象としたものであるため、現在、膜タンパク質を対象に同様のスクリーニングを行っている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Nitric oxide signaling in yeast2018

    • 著者名/発表者名
      Rika I. Astuti, Ryo Nasuno, Hiroshi Takagi
    • 雑誌名

      Advances in Microbial Physiology

      巻: 72 ページ: 29-63

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 酵母に見出したフラボタンパク質Tah18依存的な一酸化窒素合成の制御機構と細胞死誘導2018

    • 著者名/発表者名
      吉川雄樹
    • 学会等名
      日本農芸化学会2018年度大会
  • [学会発表] 酵母に見出したフラボタンパク質Tah18依存的な一酸化窒素の合成制御機構の解析2018

    • 著者名/発表者名
      吉川雄樹
    • 学会等名
      第18回日本NO学会学術集会
  • [学会発表] 酵母におけるS-ニトロソ化タンパク質の同定2018

    • 著者名/発表者名
      示野誠也
    • 学会等名
      第18回日本NO学会学術集会
  • [学会発表] 酵母におけるS-ニトロソ化タンパク質の探索・同定・機能解析2018

    • 著者名/発表者名
      示野誠也
    • 学会等名
      第65回日本生化学会近畿支部例会
  • [学会発表] 真菌における一酸化窒素の合成機構・生理的役割の解明2018

    • 著者名/発表者名
      高木博史
    • 学会等名
      (公財)発酵研究所第12回助成研究報告会
  • [学会発表] 酵母における銅代謝関連転写因子Mac1を介したNOによる高温ス トレス耐性機構2018

    • 著者名/発表者名
      那須野 亮
    • 学会等名
      第18回日本NO学会学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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