本研究は,高齢者の夜間の離床行動と膀胱内尿量変化を分析し,夜間離床しやすい排尿パターンの特徴を明らかにすることを目的とした。測定には膀胱用超音波画像診断装置と離床行動検知・記録システムの2つの機器を使用した。寝たきりでない高齢者を対象として,夜間の離床行動と尿量データを照合して分析したところ,残尿量が多い高齢者は離床回数が多いことがわかった。さらに,残尿量が多い場合は離床間隔が不規則で,次の離床までの時間が極端に短いこともあった。このことから,残尿量が多い高齢者は転倒リスクが高いことが示唆された。
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