研究成果の概要 |
シリコンにおける亀裂先端に発生した転位を広域に観察することで,従来の観察で見落としていた亀裂先端から離れた転位の応力遮蔽効果について検討を行った. その結果,亀裂先端から離れて存在する転位は亀裂先端近傍の転位とは異なる性格を持っていることが分かった.これらの転位による局部応力拡大係数を計算したところ,亀裂先端に存在する転位のモードIIとモードIIIの応力拡大係数を打ち消す転位であることが分かった. 以上のことから,亀裂先端にはモードの応力がかかっており,そこで発生,増殖する転位はこのモードを遮蔽し,その他のモードは互いにキャンセルするように発生,増殖しているということが分かった.
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