本研究の目的は、口腔機能の向上に効果的な新しい機能訓練プログラムを確立することである。はじめに口腔機能評価法の有用性を明らかにする目的で、口腔周囲筋圧、咬合力、咀嚼能率の測定を行い、その信頼性を検証した。続いて、口腔機能訓練としてガム咀嚼トレーニング(ガムを左右側後方臼歯部で10回ずつ交互に繰り返し5分間咀嚼する運動)と舌回旋トレーニング(舌尖を唇頬側歯肉と頬粘膜との移行部に押しつけながらゆっくり回旋させる運動を、右回り、左回りの順に交互に20回回旋する運動)を実施した際の口腔機能の変化を検証した。その結果、いずれの方法も口腔機能の向上に有用なトレーニングプログラムであることが立証された。
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