国が2011年度に導入した環境保全型農業直接支払制度の活用実態を解明し、政策的含蓄を得ることを目的として、制度を積極的に活用している国内4地域の比較分析を行った。その結果、各自治体は独自支援と制度の地域裁量性を駆使して、以前から行ってきた支援のあり方を維持していた。支援の具体的なあり方は、各地域の環境保全型農業の推進戦略に応じて「普及型」か「高度支援型」のいずれかであった。また、環境保全を志向する市民団体と農業生産者の連携強化も重要な政策課題と考えられた。これらは国の制度改善の方向性を示唆している。
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