ひきこもり経験者・当事者による当事者活動の意義について、次のことを明らかにした。ひきこもり経験の当事者たちによる活動の核には、挫折経験(期待に応えることの「できなさ」)やその積み重ねによる「動けなさ」を自分の立場性(ポジショナリティ)として引き受ける、「できなさ」「動けなさ」の肯定がある。当事者活動の基本は、「できなさ」「動けなさ」の経験を分かち合うセルフヘルプと、そうした経験を基点としたセルフアドボカシーの活動である。また、ひきこもり経験者の自己決定と共同決定が「自己定義」のプロセスに支えられていること、そして自己定義は共同的な過程であることを明らかにした。
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