生命現象の理解において、細胞を分子レベルで統合的に解析することは大変重要な課題である。蛍光顕微鏡に代表されるような、分子生物学や生化学に基づいた手法は、各種分子の高選択、高感度検出が可能であり、極めて高精度なレベルに達している。一方で、細胞内の構成分子を統合的に、非破壊・無染色で解析することは、幹細胞の分化制御や、医学臨床における細胞識別・状態解析など、幅広い応用研究において、今後必要性が増すものと考えられる。本研究では、ラマン分光法と多変量解析の手法を用いることで、分子科学的知見と共に、無染色で細胞を識別する新規技術を開発した。
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