研究課題
若手研究(B)
高脂肪食を摂取させたラットにおいて,ピロロキノリンキノン(PQQ)溶液を飲料水として投与すると血漿のコレステロールおよびトリグリセリド濃度が減少したが,肝臓の脂質量には変化がみられなかった.高濃度のグルコースおよびフルクトースとともにPQQを培地に添加して培養したHepG2細胞において,細胞内の脂肪蓄積量に減少傾向がみられた. Caco2細胞を用いたPQQの吸収実験において,酵素法では細胞内に吸収されたPQQが検出限界以下であったため,PQQの高感度検出法の確立を要することが明らかとなった.
食品機能学
PQQは微生物酵素の補酵素であり,多くの食品に含まれている.またPQQが抗酸化機能や認知機能改善など様々な生理機能を有することが報告され,最近ではサプリメントとして市販されている.哺乳動物におけるPQQの必須性は示されていないが,ヒトは日常的に食事から摂取していることからその影響を受けていると推測される.本研究成果は栄養学および食品機能学の観点からPQQについての知見を増やすものである.