本研究は、仕事と家庭の両立が女性の健康に与える影響を国際比較の観点から検討することを目的とした。米国在住日系人女性への健康調査と、日本在住日本人女性への健康調査を比較分析した結果、両者において、有配偶者は無配偶者よりも主観的健康感が高く、その関連は社会経済的要因を考慮しても残ることが分かった。また、日本人女性のうち、有配偶で18歳以下の子供をもつ女性を分析したところ、パートタイムで働く女性の主観的健康感が最も高く、専業主婦とフルタイムで働く女性の健康感に統計的に有意な差は見られなかった。日系人女性においては、就労時間と主観的健康感のあいだに関連はみられなかった。
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