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2018 年度 実績報告書

信用格付けを利用した医療機関の経営財務評価と資金調達の多様化に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K21521
研究機関関西大学

研究代表者

田村 香月子  関西大学, 商学部, 准教授 (40411491)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード医療機関債 / 医療機関の資金調達 / 地域医療連携
研究実績の概要

本年度は、昨年度の研究において実施できなかったインタビュー調査を行うための補助事業期間延長年度であり、計画通り医療機関への訪問・インタビュー調査を行った。
調査は、過去に複数回にわたり医療機関債を発行している社会医療法人博愛会菅間記念病院を対象に、2018年11月20日に実施した。当初より医療機関債発行のガイドラインにおいて、医療機関債の発行は「資産の取得の利便のために発行するもの」とされており、また発行できる医療法人は「当該医療法人が医療機関債を発行する年度の前年度から遡って3年度以上税引前純損益が黒字であるなど経営成績が堅実であること」や、利率等発行条件においても標準金利が設定されており、資金調達手段としての多様性は確保するものの自由度は低く、実効性は限定的である。そのためこれまで発行件数は概して少なく、当該医療法人の複数回におよぶ発行状況は例外的であった。
そこで医療機関債の活用について分析するため、当該病院に対し、医療機関債の発行目的、発行額や利率等の発行内容、購入者の状況、医療機関の資金調達への影響、信用格付けの取得状況等についてインタビューを実施した。その結果より、当該医療法人における医療機関債の発行は、発行目的にもある通り新病棟の設立など資産取得のためではあるが、医療法人全体の資金調達手段としての貢献は限定的であると考えられる。むしろ、医療機関債の発行と引き受けという関係性を通じて、地域医療連携における紐帯の形成およびつながりの強化手段として積極的に利用されている面が明らかとなった。こうした医療機関債の利用はユニークであり、医療機関債の新たな社会的役割が見出された。以上の研究内容を論文として執筆している。

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公開日: 2019-12-27  

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