本研究は医療機関の財務評価に信用格付けを利用する試みと、資金調達手段の多様化の可能性の分析である。 医療機関の信用評価においては、人口などの地域特性や施設設備等、医療機関に特有の項目も重視される。しかし信用格付けを取得する医療機関が減少したため、モデル化するまでは至らなかった。 他方、資金調達多様化について、活発に医療機関債を発行している病院を調査した。その結果、医療機関債は単に資金調達の目的ではなく、むしろ、地域医療におけるかかりつけ医と総合病院の連携を強化する間接的手段として、戦略的に利用されていることが明らかとなった。
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