研究課題/領域番号 |
15K21536
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
木村 静 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (60727361)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 看護技術 / 洗髪援助 |
研究実績の概要 |
ケリーパッドを用いて仰臥位で行う洗髪援助は、基本的な基礎看護技術であり、臨床や在宅においても活用されている。しかし、実際の活用では洗髪時の体位の工夫が必要であると言われ、その一つに膝の下へ枕を挿入し筋緊張を和らげることが推奨されているが、具体的な枕の挿入方法やその科学的根拠について示された報告は見当たらない。そこで、本研究では、高齢者を対象として洗髪時に安楽だと感じる体位の特定と、その体位における洗髪援助が対象者の心身に及ぼす影響を客観的指標から検証することを目的としている。これらが明らかになれば、対象者の筋の緊張感や苦痛が軽減され安楽な体位で洗髪援助を受けることができ、より清潔で快適な在宅・入院生活を送ることができるばかりか、QOLの向上にもつながると考えられる。 今年度は、基礎的研究として、研究に同意が得られた健康な高齢者において、仰臥位でケリーパッドを挿入した上で対象者が最も安楽だと感じる洗髪体位を、膝関節と股関節の角度からみて明らかにする計画であった。 そこで、研究で使用する機器の選定を行い、パイロットスタディを実施し、対象者に、より安全で精度の高い実験方法の検討を行った。また、研究代表者が所属する大学における倫理審査委員会、及び実験を行う機関における倫理審査委員会に申請を行い、両機関における審査委員会より承認を得た。さらに、実験機関近隣の高齢者サークル等の団体に研究協力者の募集を行い、研究の条件に見合う研究協力者を選定した上で、現在、本実験を遂行中である。なお、研究の実施と並行して、データ分析、及び解析を行っている。 今後は、今年度のデータ収集、分析・解析と同時に、平成28年度の研究実施に向けて倫理審査申請等の準備を迅速に行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予算の関係上、当初計画していた関節角度計を購入することができなかったため、代わりの計測機器を検討する必要性が生じたことや、研究対象者数を確保するために複数の関係機関において倫理審査を受け承認を得る必要が生じたことから、今年度予定していた研究計画がやや遅れることになった。 しかし、代替の関節角度の測定機器を検討し準備することができたことや、申請した倫理審査委員会より承認を得ることができたため、予定よりやや遅れつつも、実験を進めることができている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、データ収集、及び分析・解析を行っている。 平成28年度は、平成27年度の研究成果をもとに実験を進める予定であるため、今年度における研究の成果を早急に明確にするとともに、平成28年度の研究実施に向けた倫理審査申請の準備や、今後購入予定である実験機器のデモやそれを用いたパイロットスタディを早々に実施し、平成28年度に予定している高齢者に対する洗髪援助を含めた本実験につなげていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度の予算の関係上、当初計画していた関節角度計を購入することができなかったため、予定より安価な代替の関節角度計に変更することとなった。それにより、物品費の使用額が交付決定額をやや下回り、全体として次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度における研究計画では、新たに心拍変動を測定する機器を購入する予定であるため、それら実験機器を購入するために使用する予定である。 加えて、今年度同様に研究代表者所属機関と実験機関が異なることが想定されるため実験機器の運送費や、実験時の研究対象者や研究協力者にかかる人権費等に用いる予定である。
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