本研究では,生活習慣病のうち特に糖尿病に焦点をあて,特定健診受診後の医療機関への受診状況や経済的要因により,糖尿病の発症や糖尿病関連入院の発生リスクを評価することを目的に,特定健診および電子レセプトデータの分析を行った. 特定健診で糖尿病により要医療となった者では,3ヶ月に1度受診している者はそうでない者に比べて急性心筋梗塞を除く虚血性疾患による入院の頻度が高く、定期受診による糖尿病合併症の発症を抑制する可能性が示唆された。また,健診で糖尿病でない者を対象に所得や食事スピードによるその後の糖尿病発症の比較では,低所得であることや早食いが糖尿病発症のリスク因子として認められた.
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