銅製造にともなって発生する銅製錬スラグを化学的に物質転換することにより、資源を効率的に回収する方法を明らかにし、さらにその成果に基づいた低環境負荷型の資源循環プロセスの構築を目指した。種々の湿式処理媒体を用いた検討によって、塩酸、硫酸およびリン酸などの種々の酸を用いた抽出処理で主な構成成分の回収が可能であること、抽出条件の適切な選定によってスラグ中の元素資源の選択的回収が可能であること、などが明らかとなった。また、回収した成分元素より機能材料を合成することも試み、銅製錬スラグを出発物質として、多孔質シリカやリン酸鉄、リン酸鉄リチウムなどの種々の無機材料を得るプロセスを構築した。
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