本研究では、構造生物学の分野で進展が著しい固体NMRの次世代測定法開発とアミロイド構造生物学への応用を3つの課題を通して行った。NMR法の根本的問題である感度と分解能の問題を解決するため、(1) 超高速マジック角回転(MAS)法を使った微量生体試料観測のための固体NMR法と(2) 分解能向上のための高次元固体NMR法を開発した。 (3)アルツハイマー病に関連したアミロイドとリガンド分子の相互作用の構造生物学の進展を図った。例えば茶由来カテキンEGCGと結合したアミロイドの構造が結合部位と想定される側鎖以外は大きく変化しないことが示唆された。本研究を通し生体試料の固体NMRの大きな進展を得た。
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