研究課題
イギリス気象庁Met Office, 水路部Hydrographic Officeに2018年10月1日-6日まで滞在し、Rob Allan博士と、昨年度に引き続き、図書館などに埋もれてこれまで利用されなかった過去の気象資料をデジタルデータに復元する「データレスキュー」を行い、過去200年間の気候を明らかにする共同研究を行った。本研究課題最終年度を踏まえて、Rob Allan博士が代表を務める国際的なデータレスキュー活動Atmospheric Circulation Reconstructions over the Earth (ACRE)に関する国際会議を今年度は日本に招致し、11月12日‐16日に首都大学東京で開催した。各国のデータレスキューに関する研究者が出席し、研究交流を行った。国内のデータレスキューの研究者を束ねた、国際的なデータレスキューの枠組みであるACRE-Japanに関するセッションも立ち上げ、海外の研究者に広く国内の取り組みを紹介した。11月17日には国際シンポジウム「歴史の中の気候 気候の中の歴史」を東京大学で開催し、データレスキューの気象、気候研究と歴史学の研究との接点を考える研究交流を行った。フィリピンでの過去115年間のモンスーン活動の長期変動をこれまで明らかにしてきたが、第2次世界大戦中の1941-1948年は降水量データが見つかっていないため、わかっていなかった。フィリピンと同様のモンスーン活動が見られる南シナ海の東沙島の戦前、戦時中(1940-1944年)の降水量を含む気象データがアメリカ議会図書館で見つかり、復元した。未解明だった第2次世界大戦中のモンスーン活動の解明につながることが期待される。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 4件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (27件) (うち国際学会 18件、 招待講演 3件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (2件)
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