研究課題
最終年度の本年度は、海域火山のリモートモニタリングの実現に向け、以下の二つのテーマにおいて成果を上げることができた。(1)海中音波を用いたモニタリング手法の開発共同研究先の国連機関である包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)が主催の国際水中音波ワークショップ2019(7月8日ー11日)に出席し、同機関が所有するハイドロフォン国際観測網データのアクセス方法並びにデータ解析手法の共有化を確立することができた。これは、vDECと呼ばれる仮想データサーバーを共有するものであり、水中音波解析に有効なツールが充実しており、初期解析はその場で行うことができ大変便利なシステムである。更に、先方にフィードバックすることも可能であり、機能の付与も可能である。(2)海中浮遊式ハイドロフォンシステムによる海中音波観測ニース大学がOSEAN社(フランス)と共同開発観測装置の海中浮遊型ハイドロフォンシステム(MERMAID)を用い、日仏中米共同観測を実施した。本国際共同研究は、2016年の国際共同研究計画「Earth Scope-Oceans」の発足を契機とし(代表:ニース大学Nolet教授)、その後もメンバー間での議論を重ね、実際の観測では、2018年4月には神戸大学所有の練習船「深江丸」を用いた試験観測を実施し、2019年には日本および米仏がそれぞれ独自に小規模展開した後、今回は全メンバー国共同での大規模展開の実施に至った。本観測は、2019年8月から9月に実施され、これによって50台ものMERMAIDシステムが南太平洋(南緯0ー30度、西経100ー180度)に展開された。バッテリー容量から5ー6年の観測期間が見込まれており、その間に起きるグローバル地震波形が準リアルタイムで取得されることになり、グローバル地震波トモグラフィーにおける解像度均一化ひいては地球内部構造モデルの大幅な改善が期待できる。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 14件)
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