ヨーロッパの6カ国(ノルウェー、ポーランド、チェコ、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャ)の合計16カ所において、ドイツトウヒ倒木の腐朽型、菌類群集、ドイツトウヒ実生の更新状況を調査した。腐朽型とは、木材の主要成分であるリグニンとホロセルロースの分解比率により、白色腐朽と褐色腐朽に大別される。調査の結果、高緯度(ノルウェー)と低緯度(ギリシャ)では褐色腐朽の頻度が高かったのに対し、中緯度(チェコなど)では褐色腐朽の頻度が低かった。倒木上でのドイツトウヒ実生の更新密度は中緯度で大きく、白色腐朽の頻度と有意な正の関係があった。
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