研究課題/領域番号 |
15KK0317
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
西塚 哲 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 特任教授 (50453311)
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研究協力者 |
Liotta Lance George Mason University, Center for Applied Proteomics and Molecular Medicine, College of Science, University Professor
Mills Gordon University of Texas, MD Anderson Cancer Center, Department of Systems Biology, Professor and Chair
久米 浩平
石田 馨
岩谷 岳
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研究期間 (年度) |
2016 – 2018
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キーワード | 癌再発 / 薬剤耐性 / 統合解析 / 治療後モニタリング / 腫瘍マーカー |
研究成果の概要 |
進行胃癌根治手術後にはコンベンショナルな抗癌剤(コ抗癌剤)による術後補助化学療法が行われるが、30-40%の患者は再発を経験する。コ抗癌剤に接触した癌細胞では様々なシグナル伝達が活性化するが、そのシグナル伝達経路に対する分子標的薬を投与すれば癌関連死抑制へ繋がるはずである。本研究では胃癌再発を抑制する化合物(α-Amanitin)・分子標的薬(GDC-0941)を同定したほか、治療後再発にH. pyloriの感染状態が関連すること、血中変異DNAが再発を予測することを示した。最終的にゲノム・トランスクリプトーム、タンパク、細胞、動物モデル、および疫学レベルでの統合的解析を展開した。
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自由記述の分野 |
システム医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シークエンス技術の発展とともに遺伝子変異を投薬根拠とする「がんゲノム医療」が行政主導のもと推進されている。一方、多くの分子標的薬では標的分画であるタンパクが遺伝子変異によって制御されている証拠は乏しい。本研究は、薬剤耐性の直接的責任分子であるタンパクの動態を基に至適分子標的薬を選定するために立案された。胃癌再発抑制に働く化合物・薬剤は同定されたが、これらが遺伝子変異に起因する証拠は得られなかった。一方、H. pyloriや血中変異DNAの癌診断における意義を確認した。本研究成果は学術的には遺伝子変異による投薬効果の検証を推進し、社会的には遺伝子変異に偏らない癌診断を再認識するという意義がある。
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