研究課題
静岡県農林研究所茶業研究センター・勝野剛博士が、チャを栽培管理し、摘採，加工試料を調製した。課題（１）釜炒工程後のアルコール系香気成分単糖配糖体Eo-Glucopyranoside:RO-Glc、二糖配糖体RO-Primeveroside:RO-Prim量の増加原因を加熱条件を複数設定して解析した。その結果、RO-Glcのマロン酸エステル:RO-GlcMalの検出、同定に成功した。RO-GlcMalは加熱に対してきわめて不安定であった。他方、RO-GlcRO-Primのマロン酸エステル類は検出できなかった。また、RO-GlcとRO-GlcMalの加熱時の消長、含量を比較検討したが、RO-GlcMalの消長はきわめて小さかった。上記のことから、加熱工程での温度上昇時により、糖転移反応が昂進されるものと示唆された。課題（２）加工工程、栽培時期、虫害の有無によるチャ葉試料の遺伝子発現データに関わる膨大なデータを得た。課題（１）に関わるデータの内、香気成分生合成遺伝子を選抜し、解析、考察している段階である。課題（３）三級アルコール以外の各種二糖配糖体、三級アルコールを含む RO-Glc、および、RO-GlcMalの合成を達成し，分析標準品、酵素活性評価等に活用した。課題（４）細胞レベルでの代謝物分析をすすめ、バラ花弁をモデルとしてプロトプラスト、アポプラスト画分の取得技術を確立し、配糖体のLC-MS/MS分析を可能とした。課題（５）対象化合物が低濃度で質量顕微鏡でのトレースができないためH25年度で中止。課題（６）一番茶、二番茶における、萎凋温度、時間を変数とした香気成分変動データを生合成経路を踏まえつつ、化合物ごとに3次関数化し，近似曲線を得た。現在詳細な数理解析モデル化を進めている。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
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