研究課題
平成17年度は日本、韓国、台湾で本調査を実施することに重点を置いた。このため、まず本調査に先立ちプリテストを行った(プリテストは調査員のレベルをチェックすることも目的としていたので、ベテラン調査員と経験の少ない調査員の両方を用いた)。その結果に基づいて、回答者ができるだけ答えやすい調査票を作成した。そして日本、韓国、台湾で本調査を行った。データを収集した段階なので、具体的な研究成果はまだない。しかし本調査の準備を行いつつ、幹事会や研究会などを開催し、データ分析のための研究戦略を検討した。それらには次のようなものが含まれる。(1)職歴データ分析手法の洗練:本プロジェクトで推進している社会階層と社会移動全国調査(SSM調査)では、初職かち現職までの人びとの職業経歴を詳細に尋ねている。このことは本プロジェクトの特色の一つであるが、今までのSSM調査プロジェクトでは職歴データを十分に分析してこなかった。この問題を解決するために、標準的な職歴データ作成方法の可能性について検討した。(2)職業・産業国際比較のための準備作業:これは前年度からの継続作業である。日本、韓国、台湾でそれぞれの国の職業分類と産業分類を用いている。これらを比較可能にするために、国際標準職業分類・産業分類に変換する必要がある。しかしこの変換手続きは予想していたよりも複雑だったので、タスク・グループを立ち上げて問題点を吟味した。(3)社会階層や社会移動に影響する制度(労働市場や教育制度)の日韓台間の相違の検討:制度の違いが社会階層や社会移動に及ぼす影響の分析は、本プロジェクトの国際比較において重要な位置を占めるので、韓国と台湾の研究協力者と議論しながら検討を進めている。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 図書 (1件)
理論と方法 20-1
ページ: 45-57
西日本社会学会年報 3
ページ: 29-41
ページ: 5-25
社会学研究 77
ページ: 65-80
教育社会学研究 76
ページ: 41-57
人文学報 360
ページ: 97-110