研究課題/領域番号 |
16002007
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
磯部 稔 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (00023466)
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研究分担者 |
市川 善康 高知大学, 理学部, 教授 (60193439)
西川 俊夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (90208158)
久世 雅樹 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (40335013)
甲斐 英則 鳥取大学, 農学部, 教授 (60023412)
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キーワード | 構造認識機構 / タンパク質脱リン酸酵素阻害 / 分子間相互作用 / 時間読みタンパク質 / 発光タンパク質 / 光親和性標識 / テトロドトキシン / シガトキシン |
研究概要 |
生体内において、低分子化学物質とタンパク質分子間の情報伝達は、精密な構造認識機構によって効率よく機能し、生理活性発現のカスケード機構が働いている。両者の複合体形成を鍵段階として引き起こされるので、その軌跡を追求することが本研究の目的である。タンパク質脱リン酸酵素阻害では、光親和性標識をもつトートマイシンアナログを分子設計し、被修飾分子の検索法を検討した。活性の著しい天然物とタンパクを模範として、その分子間相互作用を解明するため、昆虫休眠卵の中に発現する時間読みタンパク質を素材に研究を進めた。金属・糖タンパク質の構造を超微量で構造変化追跡法を確立した。被修飾ペプチドおよび金属リガンドの位置が移動するというきわめて興味深い結果を得た。同様に、発光タンパク質では、セレンテラジン発光素子の新規合成法を確立した。これは発光素子の挙動を光親和性標識によって追跡する際に、旧来の合成方法では困難であった位置の各種異性体を簡便に合成するもので、これによってニトレン・カルベンの特異的な発生を行うことまで確認した。タンパク質への修飾についても、発光タンパク質の素子の出入りを、ナノLC-MSで追跡し部分的な修飾位置特定の結果が得られつつある。この結果に基づいて次の素子を設計・発光物質を創製した。この手法は創薬化学に利用できる。計画研究後半のため、チャネルタンパク質に相互作用するテトロドトキシンの第2の全合成を終了し、これの改良合成を行った。さらに、同タンパク質に作用するシガトキシンの部分合成についても、コバルト錯体のリガンド交換法を開発することによって、反応の選択性を大きく改良するなどの進展をみた。
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