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2004 年度 実績報告書

微小管結合タンパクOrbitによる細胞分裂および細胞分化の制御

研究課題

研究課題/領域番号 16026219
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

井上 喜博  京都工芸繊維大学, ショウジョウバエ遺伝資源センター, 講師 (90201938)

研究分担者 山本 雅敏  京都工芸繊維大学, ショウジョウバエ遺伝資源センター, 教授 (10142001)
キーワード細胞質分裂 / 微小管 / ショウジョウバエ / Orbit / CLASP / セントラルスピンドル
研究概要

細胞分裂における分裂面の決定に微小管が重要な役割を担うことが知られているが、その詳細な分子機構については不明な点が多い。そこでGFP-βtubulinを発現させるショウジョウバエの系統を用いて雄の減数第1分裂において微小管の変化をタイムラプス観察した。とくに分裂後期に作られるセントラルスピンドルという微小管構造が細胞質分裂に果たす役割について検討した。この微小管構造については詳細が明らかでなかったが、これが細胞膜近くに作られる「周辺部セントラルスピンドル(PCS)」とスピンドルエンベロープ内に形成される「中央部セントラルスピンドル(ICS)」の2つに分類できることがわかった。両極から細胞質内に伸長してきた星状体が細胞中央部でcortexとコンタクトした後、+端が重なり合ってPCSが形成された。その位置から分裂溝が陥入した。一方、ICSは、両方の分裂極から遊離した紡錘体微小管がその+端で重なり合い、安定化することにより作られる。微小管結合タンパクOrbitが欠損したmutantでは分裂溝の陥入が始まるが、その進行が途中で停止し最終的に細胞質分裂はおこらない。Orbitの局在を抗体染色法とGFP-Orbitの発現により調べたところ、ICS上にのみ局在が認められた。さらにorbit mutantではICSの形成が選択的に影響を受けていた。これに対して星状体微小管は、mutantにおいても細胞膜の裏打ち構造とコンタクトでき、PCSが一時的に観察された。その上に細胞質分裂の開始に必須なPav-KLPやAurora Bがリクルートされていた。以上を総合すると、Orbitは、ICSというセントラルスピンドルのサブセットを特異的に安定化することにより細胞質分裂の進行に重要な役割を担っていると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Mutation in orbit/mast, reveal that the central spindle is comprised of two microtubule populations ; those that initiate cleavage and those that propagate furron ingression2004

    • 著者名/発表者名
      Inoue Y.H., Savoian, M., Suzuki, T., Yamamoto, M., Glover, D.M.
    • 雑誌名

      J.Cell Biol. 166

      ページ: 49-60

  • [雑誌論文] Genetic Link between p53 and genes required for formation of the zonula adeerens junction.2004

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi, M., Hirose, F., Inoue Y.H., Ohno, K., Yoshida, H., Hayashi
    • 雑誌名

      Cancer Sci. 95

      ページ: 436-441

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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