平成17年度は、CpG ODNによる免疫賦活誘導機構における樹状細胞(DC)の役割を明らかにすることを目的として研究を行い、以下の成果を得た。 1)野生型マウスおよびNK細胞を除去した野生型マウスにCpGを投与するとIL-12が生産されて致死量のListeria monocytogenes(LM)感染に抵抗性になるが、CpGを投与されたIL-15^<-/->マウスではIL-12の生産が観られず、LM感染により死亡した。 2)CD11cプロモーターの下流にジフテリアトキシンレセプター(DTR)をコードする遺伝子を組み込んだトランスジェニック(DTR-Tg)マウスとIL-15^<-/->マウスの骨髄細胞を用いて混合骨髄キメラマウスを作製した。同マウスにジフテリアトキシンを投与して、DCからのIL-15の生産が選択的に欠損しているマウスにCpGを投与したところ、IL-12の生産が観られず、LM感染により死亡した。1)2)より、DC由来のIL-15がCpGによる免疫賦活に必須であることが明らかになった。 3)CpG投与によりIL-15およびIL-12を生産するのは従来型のDC(cDC)で、形質様DC(pDC)からはほとんど生産されないが、抗mPDCA-1抗体投与によってpDCを除去するとcDCからのIL-12の生産がほとんど起こらなくなることを見い出した。 4)CpG刺激によりcDCから生産されるIL-15は、cDC自身に作用してCD40の発現を誘導し、pDC上に誘導されたCD40Lと結合することによってIL-12の生産を促すことが明らかになった。
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