研究課題/領域番号 |
16202002
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
松居 竜五 龍谷大学, 国際文化学部, 助教授 (40238952)
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研究分担者 |
千本 英史 奈良女子大学, 文学部, 教授 (50188489)
奥山 直司 高野山大学, 文学部, 教授 (50177193)
川島 昭夫 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (00128779)
小峯 和明 立教大学, 文学部, 教授 (70127827)
横山 茂雄 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (10144726)
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キーワード | 南方熊楠 / 民俗学 / 宗教学 / 生態系 / 草稿資料の翻刻 |
研究概要 |
昨年度に引き続き9名のRAを雇用し、共同研究者とともに本研究の遂行にあたった。関西で年間12回、東京で年間11回の翻刻の研究会をおこなったが、これらの研究会には必要に応じて別地域の共同研究者およびRAが相互に出張して参加した。また、RAを中心とした翻刻のためのワーキンググループ(WG)を月3回、延べ36日程度開催、このうち8月は京都、3月は田辺で合宿形式でおこなっている。内容的には、南方熊楠日記のうちの1926年分1月〜7月の翻刻を関西でおこない、1941年1月〜3月の翻刻を東京でおこなった。また、書簡資料のうちの最重要と位置づけた2004年発見の土宜法龍宛書簡の翻刻をWGを中心に進め、ほぼすべての粗翻刻を終了、うち6通に関しては松居竜五・岩崎仁編『南方熊楠の森』に解説付きで掲載している。さらに熊楠所蔵『和漢三才図会』中の書き込み、宇井縫蔵宛熊楠書簡、西表欽一郎宛書簡を翻刻し『熊楠研究』に発表した。 こうした翻刻資料に基づき、共同研究者・RAによる研究が進められた。その結果、8月には千本と松居が中心となって編集し、共同研究者6名とRA3名が執筆した『國文學』南方熊楠特集が刊行された。12月には松居が中心となって翻訳をおこなった『南方熊楠英文論考--ネイチャー誌篇』が刊行された。同じ12月に刊行された『南方熊楠の森』には、共同研究者4名とRA2名が執筆した。3月刊行の『熊楠研究』には、共同研究者2名とRA3名が執筆している。これらの刊行に対して大きな反響があり、朝日、読売、日経各紙の文化面にさまざまなかたちで取り上げられた。 一方、和歌山県田辺市に建設された南方熊楠顕彰館所蔵資料のスキャニングを進め、約60年分が現存する日記のほぼ半分のデジタル画像を作成した。また、すでに翻刻されている南方熊楠の論文・書簡・日記などのテクスト入力、英文・書簡資料リストのデータベース作成が進行中である。
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