研究課題/領域番号 |
16203025
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
原 朗 東京国際大学, 経済学部, 教授 (70012127)
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研究分担者 |
岡崎 哲二 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90183029)
加瀬 和俊 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (20092588)
柳沢 遊 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (20174542)
山崎 志郎 東京都立大学, 経済学部, 教授 (10202376)
渡辺 純子 京都大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (90261271)
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キーワード | 戦時経済 / 戦後復興期 / 閉鎖機関 / 企業整備 / 流通機構 / 国民更生金庫 / 中小企業 / 戦後復興期 |
研究概要 |
(1)研究組織メンバーは、平成15年度の準備段階より、戦時から戦後高度成長の経済システムの変容・発展を研究するに当たって、アジア諸国との関連性や相互比較が一つの焦点になると考えてきた。その着手として、本科学研究費補助金の交付決定と同時期に、日韓高度経済成長比較の国際シンポジウムをソウル大学で開催した。それを機に韓国人研究者との交流を拡大し、20世紀半ば以降の経済発展を国際比較の視点か捉え直す作業を進めた。17年度の5月には釜山仁済大学で2回目の国際シンポジウムを開催すべく、準備・検討作業を行った。 (2)本研究組織の重要作業である、閉鎖機関資料等の調査研究については、国民更生金庫による100万件に上る戦時中小企業整備の実態解明を進め、研究代表原朗を中心に『戦時中小企業整備資料』全6巻を、詳細な開設を付して刊行した。これにより、戦時下に展開した流通機構の大規模な再編、中小商工業経営の一挙整理が、莫大な国家資金を導入し、地方行政機関、中小企業団体を動員しながら実施される過程が明らかになった。 (3)閉鎖機関資料の整理に当たった研究組織メンバーやその指導する院生を中心に閉鎖機関の実証的研究を進めた。国民更生金庫の企業整理支援、食糧配給、石炭配給、貿易統制、中小商業者の転廃業などの詳細な研究は、16年度中にほぼまとめられ、17年度には研究書として刊行すべく準備をすすめた。 (4)16年度には、2ヶ月の1回程度の研究会を開き、毎回1、2本の研究報告を受けたほか、夏に合宿形式の研究会を開催し、全員の研究成果報告を確認した。その際、組織メンバー外の韓国人研究者、専門研究者を招いて最新の研究成果の報告を受け、17年度からの研究組織の拡大を検討した。 (5)資料発掘では、国立公文書館つくば分館所蔵閉鎖機関資料のほか、機械振興協会所蔵の通商産業政策関係資料、国会図書館憲政資料室所蔵高橋亀吉文書、大分大学所蔵中小商工業関係資料、九州大学石炭研究資料センター所蔵資料などを中心に調査し、重要資料を複写した。 (6)研究組織メンバーによる本研究費を利用した研究業績は別記の通りである。
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