研究課題/領域番号 |
16203025
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
原 朗 東京国際大学, 経済学部, 教授 (70012127)
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研究分担者 |
岡崎 哲二 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90183029)
植田 浩史 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (10213357)
金子 文夫 横浜市立大学, 国際総合科学研究科, 教授 (80114445)
柳沢 遊 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (20174542)
山崎 志郎 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (10202376)
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キーワード | 経済団体 / 閉鎖機関 / 戦後復興期 / 高度成長 / 産業調整政策 / 市場調整機能 / 企業活動 / 産業構造高度化 |
研究概要 |
本年度は、4年間の研究機関の後半の課題として取り組んだ戦後復興から高度成長期の企業と経済団体に関する研究を総括した。夏までに各自の成果概要をまとめ、9月の第4回東アジア経済史シンポジウムの場を使って、本研究の達成点と課題を確認した。 研究の中心は政府・企業・団体の組織的ネットワークの機能に関連している。そのうち、(1)輸出支援政策の下での輸出関連産業の競争秩序形成(寺村)、(2)戦後急速に復興しその後転換期を迎えた繊維産業における産業調整政策の展開(渡辺)(3)新素材産業である石油化学工業における協調的投資調整(山崎)については、政治経済学・経済史学会のパネル・セッションで報告し、その市場調整機能が長期間一定の機能を果たしたことを明らかにした。また通産省「国民車構想」に触発される形で、各社から内出された小型自動車工業の企業戦略(呂)、海外投資・輸出拡大を促す日本輸入銀行・海外経済協力基金とそれに呼応する企業活動(金子)、また公共事業の比重が極めて高かった土木建築業界の成長と受注構造、建築労働者の社会保障政策、労働組合も関与した総合的な調整過程(加瀬)、自動車業会における安定的なサプライヤーシステムの分析(植田)などによって、当該期の市場的特性を明らかにした。 企業研究では、戦後の混乱を収束し産業合理化を推進する際の安定的賃金・雇用制度の定着(宣)、電気機械メーカーのコンピュータ事業参入に当たって果たした企業内定市場の役割(池元)などを明らかにした。消費生活の変容(山口・柳沢)、国民意識の変容(伊藤)にも取り組んだ。また総括的研究として、成長の原動力に当たる1950年代の生産性上昇の測定(岡崎)、産業関連分析により産業構造高度化の実態研究(原)もまとめられた。
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