研究課題/領域番号 |
16251007
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
三尾 裕子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (20195192)
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研究分担者 |
末成 道男 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (20054570)
芹澤 知広 奈良大学, 社会学部, 助教授 (60299162)
赤嶺 淳 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (90336701)
宮原 暁 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (70294171)
菅谷 成子 愛媛大学, 法文学部, 教授 (90202126)
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キーワード | 東南アジア / 中国系住民 / 土着化 / クレオール化 / 人類学 / 華僑 / 華人 |
研究概要 |
本年は、2回の会合(シンポジウムと研究会)及び個々のメンバーの現地調査を実施した。前者については、まず7月29日に、貴志俊彦氏が代表の科研「不平等条約体制下、東アジアにおける外国人の法的地位に関する事例研究」と合同で『中国系移民の選択的アイデンティティ』と題するシンポジウムを開催した。本シンポでは、比較的研究が手薄であった法制史の側面からの中国系移民の変容過程について、重点的に討議を行った。本科研からは、末成、菅谷が事例研究の報告を行った。12月の研究会では、赤嶺及び三尾が現地調査に基づいてまとめた調査報告を行うとともに、本プロジェクトの「土着化」概念について討論を行った。後者については、研究代表者の三尾は、2005年8月にベトナム中部のホイアンにおいて、土着化した中国系移民の系譜観念、言語等の変容について、調査を行った。研究分担者の中西は、2006年3月、芹澤とベトナムのメコンデルタ地域において華人廟、会館の現地調査を行った。芹澤は、このほか、2005年8月にベトナム・ホーチミン市とダラット市、及び中華人民共和国香港特別行政区にて、ベトナム華人の宗教に関する実地調査と資料収集を行った。末成は、2005年4-5月に、ベトナム中部のフエにおいて、土着化した中国系移民の宗教祭祀についての調査を行った。ベトナムの諸調査からは、土着化した中国系移民と、いわゆる「華僑・華人」との間の社会・文化的な異同がかなり明らかになってきた。赤嶺は、2006年3月に台北において、南米産Isostichopus fuscusの流通事情の実態調査をおこなうとともに、ペナン(マレーシア)において、東南アジアの諸都市を拠点に乾燥海産物の流通と小売りに従事する潮州系華人の親族間ネットワーク形成史についての調査をおこなった。菅谷は、フィリピン国立文書館およびマニラ大司教座文書館などにおいて「マニラ公正証書原簿」、およびその他の関連する手稿文書史料等の調査を行った。
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