研究課題/領域番号 |
16251007
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
三尾 裕子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20195192)
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研究分担者 |
末成 道男 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (20054570)
中西 裕二 立教大学, 刊行学部, 教授 (50237327)
宮原 暁 大阪大学, グローバルコラボレーションセンター, 准教授 (70294171)
菅谷 成子 愛媛大学, 法文学部, 教授 (90202126)
赤嶺 淳 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 准教授 (90336701)
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キーワード | 中国系住民 / エスニシティ / 土着化 / クレオール化 / 華人化 |
研究概要 |
本研究では、中国の支配下であった地域から東南アジアへ移住した「中国系住民(移住及び一時居住、定住を含む現象を指す現地社会からの視座を含む用語で、アイデンティティは問わない)」を対象に、人類学・歴史学的な調査を行い、これらの人々を同質的、単一的に表象ずる従来の人文社会科学の分析視点を批判的に再検討し、新たな海外中国人像を構築すること、また、このことを通して「民族」が本質主義的に想像される過程について析出することを目的とした。 平成19年度は最終年度にあたったため、現地調査は必要な範囲内での補足調査にとどめ、成果の公表に力を注いだ。2007年8月にクアラ・ルンプールで行われたInternational Conference of Asia Scholars 5では、2つのパネルを組織、また、11月にも日本華橋華人学会の年次大会において、パネルを組織した。それぞれの学会では、中国系住民が中国的な習慣や中国系としての意識を失って土着化していく過程、再移住の中でのサブエスニシティの生成過程、宗教的な信仰や実践と民族カテゴリーの変容、国家の移民政策と移民の文化変容などについて、現地調査に基づく成果を発表した。 また、現地の研究協力者を招聘し、メンバーとの共同研究の成果を発表する機会も設けた。具体的には、ベトナム中部における土着化華人である「明郷」について、歴史、民谷、人類学の各方面からの研究を披露した。このワークショップでは、ネイティブの研究者を招聘したため、当事者の視点からの移民社会の土着化、文化のクレオール化などについての発表があった。 なお、平成18年度に実施した現地協力者を招聘して行ったワークショップについては、Cultural Encounters between People of Chinese Origin and Local People, Case Studies from the Philippines and Vietnam (2007)という論文集を出版した。
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