研究概要 |
第一に,システム研究として,既に一定程度の発達を見,実用的なレベルまで発達しているe-learningの実態と開発,設計を調査した。これは,ODR(Online Dispute Resolution)もe-learningも本質的にIT技術による人間のコミュニケーション能力の拡張,補完にその意義があるからであり,情報システムとしてはe-learningの技術や研究が,ODRシステムに流用できる可能性が高いからである。この点では,法整備支援システム,法コミュニケーションシステムを研究,開発している名古屋大学の研究グループとの密接な関係の下,システムコンセプトの構築に従事している他,特に米国におけるシステム開発や実態を調査した。 第二に,ODRシステムの需要を計るため,例として北海道江別地方の法律紛争解決について実態調査を行なった。そして,その結果,ODRが有用となる地域においては,まず住民のITリテラシー,ネットワークリテラシーが重要であり,そうした情報教育の側面もまたODRシステムに取り込むべきことが明になったので,そうした分野の調査,研究も行なった。この点については,民間のIT企業との連携により,実験,開発への協力を得ている。 第三に,具体的なシステム開発として,研究用サーバに,電子メールや,掲示板システム,インターネットTV会議などを利用した,法律相談システムのプロトタイプを実験的に作成した。これらについても,他大学の研究協力者の協力を得ている。この分野では特に,相談の類型化と典型化に配慮し,可能な限りの自動化を考慮して,その研究,開発を行なっている。
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