研究概要 |
本研究の目的は,活動的な市場が必然的にもたらす各種の紛争を,ICT(情報通信技術)を用い,何時でも何処からでもすぐアクセスできるユビキタスなODR(Online Dispute Resolution;オンライン紛争解決)として処理するためのシステム基盤の研究開発であり,そのためにまず,ODRを含む国内外の情報化社会について調査した.その結果,情報システム基盤がユーザーフレンドリーなものであることを目指すのは当然としても,やはり,ユーザー側にも一定の情報リテラシー(スキルとモラル)が必要なことがわかり,システムの開発と同時に,それを教育に流用してODRを利用するユーザーにとってどのような情報リテラシーが必要なのかを探求し,同時にそれを通じてODRにとってユーザーフレンドリーなシステム開発の参考にした. そのことにより,ユーザーインターフェイスや,プログラムのコーディングをも含み,誰でも使える情報コミュニケーションシステムの開発の一つのあり方が明らかになった.また,ODRも本質はコミュニケーションであり,こうした手軽に設置運用でき,またユーザーフレンドリーなシステムは充分実用的であることが実験で明らかになった. 今日の高度情報化社会においては,商品の販売だけでなく,医療や法律サービスも,ICT化されていくものと予想され,その意味でも,サービス提供側にも消費者ユーザー側にも簡便でやさしいこうしたコミュニケーションシステムはますます有用なものとなっていくであろう.
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