研究分担者 |
根岸 正光 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 教授 (90114602)
宮澤 彰 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 教授 (80099928)
大山 敬三 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 教授 (90177022)
西澤 正己 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 助教授 (00281585)
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研究概要 |
本年度は,前年度に引き続きデータの整備を進めるとともに,米国の引用索引データベース(NCRJ)および日本の学会誌論文を対象とした「引用文献索引データベース」(CJP)における産官学の共著論文数などの計量書誌学的データを用いて,日本の産学連携の実態・特徴・動向を比較,分析した。その結果,産学連携の重要性に関して,企業と大学の間で大きなバーセプション・ギャップがあることが明らかになった。ここ数年,産業界から産学連携に対する要求が声高に語られ,大学側でもこれに応えて学内に産学連携推進組織を整備するなどの対応が図られている。しかし,全般的に見ると,両者の研究協力関係は対等とはいえず,大学側から見たときの企業の役割の重要さは,企業側から大学を見るときのそれには及ばないことが判明した。また,企業が基礎研究から離れていく傾向,企業にとって国内学会誌の役割が大きいことが示されたほか,分野あるいは地域によって産学連携の取り組みに大きな差があること,産学連携が特定の地域に集中する趨勢は最近になって一層強まっていることなども明らかになった。 産学連携を含め,わが国の科学技術政策に関して論じるには,本研究のような地道な統計的分析,計量的評価を積極的に展開する必要があると考え,これまでの成果を踏まえて,今後もさまざまな観点から研究を継続する予定である。これまでの成果については,国際学会・国内学会において発表したほか,国際・国内学術雑誌にも投稿し,国内および海外研究者との意見交換・情報発信等を積極的に行った。
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