研究課題
仮名垣魯文の著作について個人蔵のものを中心に所在情報を追加した。これに基づき、研究分担者が所蔵する仮名垣魯文の著作の書誌調査を行い、本研究の用に供するためデジタルカメラにより全文画像を撮影した。本研究参加者によって、この画像は研究会における発表及び、解題の基礎稿の作成に際し積極的に利用された。また、『大洋新話蛸入道魚説教』『松の栄千代田神徳』『松飾徳若譚』などを購入した。これらの結果、『高橋阿伝夜刃譚』の初編に複数の異版があることが確認され、また、「魯文閲」と称しているものにおける魯文の役割について新たな知見を得ることができた。これらの調査と並行して、前年度に引き続き、魯文の動向を具体的に再構成するための基礎調査(仮名読新聞・東京絵入新聞・いろは新聞などからの記事のピックアップ)を行いデータを蓄積した。魯文文献の書誌データ及び所在情報を掲載し、本研究参加者の用に供するために参加者限定のホームページを開設した。併せて同ホームページにおいて研究会の資料等の情報を掲載し、参加者間の情報の共有を図った。また、研究情報の交換に即時的に対応するためにメーリングリストを開設し、積極的に利用した。国文学研究資料館のメンバーを中心とした月例研究会を7回、研究分担者全員による研究会を2回開催し、著作解題作成に向けた基礎事項の調整と、個々の著作に関する研究討議を行い、『薄緑娘白波』『冬楓月夕栄』『松栄千代田神徳』『仮枕巽八景』『稗史年代記』等27作品について解題の基礎稿を作成した。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (3件)
国文学研究資料館紀要 文学研究篇 32号
ページ: 185-208
文林 40号
ページ: 49-69
千葉大学社会文化科学研究 11号
ページ: 1-23