研究課題/領域番号 |
16320081
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
井上 治 島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (70287944)
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研究分担者 |
小松 久男 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (30138622)
栗林 均 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (30153381)
宇野 伸治 広島修道大学, 人間環境学部, 教授 (60310851)
藤代 節 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (30249940)
柳澤 明 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50220182)
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キーワード | 中央アジア / モンゴル / ペルシア / シベリア / 中国東北地方 / チベット / 朝鮮半島 / 異文化接触・文化変容 |
研究概要 |
今年度は、従来より進めてきた海外での資料調査の成果を、本課題での趣旨に合わせて一定の形にまとめることを志向し、それぞれ以下のような方向で成果を収めつつある。小松は、近代のムスリム知識人と日本との関係をAbdurreshid Ibrahimに焦点を当てて考察したほか、1985年から2000年までに刊行された現代中央ユーラシア関係研究目録を刊行した.栗林は、蒙漢合壁文献『元朝秘史』の二つの体裁を異にする刊本である四部叢刊本と葉徳輝本を詳細に対校する研究を進めた。宇野は、ラシードッディーンによるペルシア語史書『集史』第一巻「モンゴル史」の諸写本に見える脱落に着目して、最良の写本に関して考察した。藤代は、ロシア科学アカデミー東方学研究所サンクトペテルブルグ支所図書室編のヤクート語図書カタログを取り上げ、同支所に所蔵される資料に関して考察をおこなった。柳澤は、大城親雲上に関する記載をめぐり、清朝の档案資料と『清国漂流図』を比較検討する研究と中国東北地方での民族接触に重要な意味を持つ乾隆の封禁令について考察した。森平は、高麗王と元朝の中書省との間で取り交わされた往復文書の中心的な書式が牒から咨にうつりかわった趨勢を指摘するに関する論文を刊行した。坂井は、中央ユーラシアの英雄叙事詩に登場する英雄の発生や賢者に関する特徴ある描写、コーカサスの口承文芸に関して考察を進めた。藤井は、モンゴルの英雄叙事詩における隠喩表現との関連で、なぞなぞにおける馬の表現に関する研究をおこなった。井上は、内モンゴル自治区オルドス地方の祖先崇拝儀礼の形成に深く関係した文献『チャガン=テウケ』諸写本の中でも最も古い系統の二つの写本であるモンゴル国ウランバートルのガンダン寺蔵本と中国内蒙古社会科学院図書館蔵本を比較考察をおこなった。また、島根県立大学メディアセンター所蔵の北東アジア関係書籍のうち、モンゴル語書籍の目録を作成した。昨年度のテュルク諸語書籍目録と合わせて、来年度に公開することにしている。
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