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2007 年度 実績報告書

北・中央ユーラシアにおける異文化の波及と相互接触による文化変容の歴史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16320081
研究機関島根県立大学

研究代表者

井上 治  島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (70287944)

研究分担者 小松 久男  東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (30138622)
栗林 均  東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (30153381)
宇野 伸浩  広島修道大学, 人間環境学部, 教授 (60310851)
藤代 節  神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (30249940)
柳澤 明  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50220182)
キーワード中央アジア / モンゴル / ペルシア / シベリア / 中国東北地方 / チベット / 朝鮮半島 / 異文化接触・文化変容
研究概要

栗林は18世紀末に清朝で編纂された5言語対訳辞典『御製五体清文鑑』の研究上の問題点を明らかにした。宇野はイランのモンゴル人政権においてもモンゴルの名門姻族との婚姻関係が機能していたことを論じた。柳澤は南方に移住したバルガ人たちが満洲化と漢化の社会・文化変容プロセスにある一方、歴史の再認識作業によりグループ・アイデンティティが維持されていることを示した。藤代はシベリアのチュルク諸語の言語的優勢の喪失の一方で、保持と継承への動きがあることを指摘した。諏訪はポスト社会主義時代のトゥバの文化的産物とそれらを産出している文化実践の変容過程を「自然の物象化」および「エスノ文化資本」という文化装置による作用として論じた。坂井は中央ユーラシアのテュルク系叙事詩の主人公側の多様な意識と勧善懲悪的のみではない構図の存在を明らかにした。森平は元における高麗在来王朝体制の保全とは、モンゴルの征服地支配の一般的方式が、冊封など一部の形式において中国風の外皮をまとって表れたものであることを明らかにした。石川は古代ボン教の変容と、現在にまで広く認められるその継続性を明らかにした。藤井は英雄叙事詩『ジャンガル』の主人公が権力を確立する7歳が、「七沖」という易学の概念につながる歳という仮説を提起する。井上は19〜20世紀前半にオルドスの祖先崇拝儀礼に新たな仏教的要素が持ち込まれた過程に伝統的価値観と仏教的価値観の整合が存在したと推定、その過程のモデル化を試みた。これら成果報告書に掲載した論文は『北東アジア研究』別冊1にまとめて刊行した。
服部文庫所蔵のモンゴル語・テュルク諸語文献の目録(暫定版)を完成させた。本報告書執筆時点で、島根県立大学の情報システムが調整中であるため、暫時、http://mu3.cocolog-nifty.comにアップロードした。後日、島根県立大学のサイトに移行する予定である。

  • 研究成果

    (20件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (2件) 図書 (7件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 「モンゴル語資料としての『清文鑑』」2008

    • 著者名/発表者名
      栗林 均
    • 雑誌名

      『東北アジア研究』 12

      ページ: 1-34

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「ノガイ・オルダの創始者エディゲの生涯」2008

    • 著者名/発表者名
      坂井 弘紀
    • 雑誌名

      『和光大学表現学部紀要』 8

      ページ: 31-49

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「英雄叙事詩『エディゲ』のヴァリアント比較」2008

    • 著者名/発表者名
      坂井 弘紀
    • 雑誌名

      『千葉大学ユーラシア言語文化論集』 10

      ページ: 75-91

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「高麗群山亭考」2008

    • 著者名/発表者名
      森平 雅彦
    • 雑誌名

      『年報朝鮮學』 11(掲載確定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「モンゴルの葬送儀礼」2008

    • 著者名/発表者名
      藤井 麻湖
    • 雑誌名

      『万葉古代学研究所年報』 6

      ページ: 195-213

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「敦煌出土チベット語予言書『衰退期』の宗教史的意義」2007

    • 著者名/発表者名
      石川 巌
    • 雑誌名

      『東方学』 113

      ページ: 87-102

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「『華夷訳語』(甲種本)における同音漢字の書き分けについて」2007

    • 著者名/発表者名
      栗林 均
    • 雑誌名

      『語学教育フォーラム』 13

      ページ: 155-166

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「ロシア革命とイスラーム:中央アジアを中心に」2007

    • 著者名/発表者名
      小松 久男
    • 雑誌名

      『ユーラシア研究』 37

      ページ: 1-15

    • 査読あり
  • [雑誌論文] "The Space of Shima."2007

    • 著者名/発表者名
      SUWA Jun'ichiro.
    • 雑誌名

      The International Journal of Research into Island Cultures. 1-1

      ページ: 6-14

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「北東アジアの諸言語にかんする註釈つき年代別文献リスト」2007

    • 著者名/発表者名
      藤代 節(共著)
    • 雑誌名

      『環北太平洋の言語』 14

      ページ: 167-246

    • 査読あり
  • [学会発表] 「断片的な歌謡の聴取と身体の構築-パプアニューギニアの事例から」2007

    • 著者名/発表者名
      諏訪 淳一郎
    • 学会等名
      日本音楽学会第58回全国大会
    • 発表場所
      宮城学院女子大学(仙台市)
    • 年月日
      2007-09-30
  • [学会発表] 「トゥバにおける自然の内面化と民俗文化資本の形成」2007

    • 著者名/発表者名
      諏訪 淳一郎
    • 学会等名
      日本文化人類学会第41回研究大会
    • 発表場所
      名古屋大学(名古屋市)
    • 年月日
      2007-06-03
  • [図書] 『シリーズことばの世界第1巻つたえる』2008

    • 著者名/発表者名
      坂井 弘紀(石井 正己)
    • 総ページ数
      246
    • 出版者
      三弥井書店
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 『清朝史研究の新たなる地平:フィールドと文書を追って』2008

    • 著者名/発表者名
      柳澤 明(細谷 良夫)
    • 総ページ数
      359
    • 出版者
      山川出版社
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 『ハラホト出土モンゴル文書の研究』2008

    • 著者名/発表者名
      井上 治(吉田 順一)
    • 総ページ数
      410
    • 出版者
      雄山閣
  • [図書] 『ハラホト出土モンゴル文書の研究』2008

    • 著者名/発表者名
      宇野 伸浩(吉田 順一)
    • 総ページ数
      410
    • 出版者
      雄山閣
  • [図書] 『中世都市・博多を掘る』2008

    • 著者名/発表者名
      森平 雅彦(大庭 康時)
    • 総ページ数
      255
    • 出版者
      海鳥社
  • [図書] Tibetan Documents from Dunhuang:Kept at the Bibliotheque Nationale de France and the British Library.2007

    • 著者名/発表者名
      ISHIKAWA Iwao(IMAEDA Yoshiro)
    • 総ページ数
      358+XXXI
    • 出版者
      Research Instiute for Languages and Cultures of Asia and Africa
  • [図書] Empire, Islam, and Politics in Central Eurasia.2007

    • 著者名/発表者名
      KOMATSU Hisao(UYAMA Tomohiko)
    • 総ページ数
      ix+376
    • 出版者
      Slavic Research Center
  • [備考]

    • URL

      http://mu3.cocolog-nifty.com

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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